肉の焼き加減10段階の言い方を写真付きで解説

¥ 0 税込

関連カテゴリ

  1. [ 肉ノート ]

肉ノートは、お肉の知識を多くの方に知っていただき、より美味しくお肉を味わっていただきたい思いで発信するお肉の情報です。

全て無料で提供する情報ですので、少しでもお肉のあれこれに興味を持っていただけたら嬉しいです。

肉の焼き加減10段階の言い方を写真付きで解説

ステーキやハンバーグを注文する際に、肉の焼き加減を聞かれることがあります。この”焼き加減”にはどんな種類があるのかご存知の方は少ないかもしれません。
よく耳にするのは「レア」「ミディアム」と何となくいつもの名前で注文することが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、肉の焼き加減につは、どんな種類があり、その言い方を紹介します。全て覚える必要はありませんので、お好みの焼き加減の名前を2つ3つ覚えておきましょう。そうすれば、その時の気分によってより美味しい肉を食べることができます。

■肉の焼き加減で味はどう変化する?

焼き加減を紹介する前に、肉は焼き加減によって味が違うのですが、どんな風に変わってくるかを簡単に紹介しておきましょう。 旨味成分を比べた際には、生の状態から火を通していくと徐々に旨味成分は増えていきます。その後、3〜4割程度焼けた状態を頂点に旨味成分は下降していくのです。
それは旨味だけでなく、味の総和とも呼べるコクを比べた際にも、同様のことがいえます。こちらも旨味成分ほど顕著ではないものの、焼き加減を強めにしていくほどコクは落ちていくのです。
このように同じ肉でも焼き加減によって、旨味やコクが変わってくることは数値で証明されているのです。

なぜ味が変わ流のかというと「肉」という素材の特性にあります。 肉に含まれるタンパク質は、加熱によって収縮し、肉汁を外に排出します。この肉汁というものが旨味の元となるもので、65℃程度がタンパク質が収縮変化するタイミングとなります。その後加熱が進み、タンパク質が肉汁を出し切ってしまうと、旨味成分が出切ってしまう状態になるため、旨味の数値が減ってしまうのです。 

  ■肉の焼き加減は大きく分けると3種類

それでは、焼き加減を紹介していきましょう。まずは、専門店でなくても注文することの多い3種類の焼き加減を説明します。自分の好みがこの辺かなというのを覚え、その周辺にある細かな焼き具合の名称を覚えれば、その日の気分によって注文ができるようになります。

|レア(3割ほど焼いた状態)

英語では、rareと表記されます。肉が3割程度焼けた状態を示し、表面はしっかり火が通り色が変わっているものの、中の方は熱が通りつつも赤い生の状態です。

|ミディアム(7割ほど焼いた状態)

英語では、mediumと表記されます。肉が5割程度焼けた状態を示し、当然表面は焼けており、中の方にも火が通っているものの薄っすらピンク色のままで、肉汁がたっぷり出てくる焼き方です。

|ウェルダン(9割ほど焼いた状態)

英語では、well doneと表記されます。表面だけでなく、中の方もも含め 全体がよく焼けている状態の焼き方です。

■細かな焼き加減を指定

ステーキの専門店などでは、上記で示した3種類の大まかな焼き加減をより細かく、注文することができます。上記の他にも焼き加減は10種類ほどあり、「レア」「ミディアム」「ウェルダン」がどの辺に位置するのかを知り、注文の際にはその日の気分で焼き加減を変えてみると、美味しいステーキが食べられるでしょう。 

|① ロー(raw)

 焼き加減と言いつつも、火を通していない完全に生の状態です。紹介しましたが、お店では注文することはない焼き方でしょう。 

|② ブルー(blue)

肉の表面だけを焼いた程度の状態です。片面や両面を数秒焼きを入れるだけです。焼肉などの薄い肉ではこのような焼き方で食べる方もいらっしゃいます。 

|③ ブルーレア(blue rare) 

ブルーよりも長めに火を通しますが、内部はほとんど焼けていない状態です。両面を数十秒程度焼くため、見た目は焼けていますが、中身は生です。 

|④ レア (rare) 

レアは先ほど説明しました。
ブルーレアよりも焼けており、内部が赤かったとしても熱は通っています。肉を3割程度焼いた状態と言え、ステーキなどではとても美味しく味わえる焼き加減です。 

|⑤ ミディアムレア(medium rare) 

レアとミディアムの中間の焼き加減です。表面はしっかりと焼かれつつ、内部も生に近い状態が損なわれない状態を残します。肉の内部はタンパク質の変質が起こる、65℃程度まで熱が通っています。 

|⑥ ミディアム(medium) 

ミディアムは先ほど説明しました。
7割程度肉を焼いた状態です。ミディアムレアよりは内部に火が通っており、内部温度は65℃〜70℃となっています。内部はピンク色になっており、肉汁がたっぷり出る焼き方です。 

|⑦ ミディアムウェル(medium well) 

ミディアムよりも焼けた部分が多くなり、内部も赤い部分はほぼありません。ほんのりピンクがかる程度です。

|⑧ ウェル(well)

よく焼いた状態をウェルと言います。 

|⑨ ウェルダン (well done)

ウェルダンも先ほど説明しました。
とても良く焼いた状態をさします。肉の内部までしっかり火が通っており、タンパク質の変化が起こっています。肉汁もほとんど出なくなり、肉を9割ほど焼いた状態です。

|⑩ ベリーウェルダン(very well done)

ウェルダンをさらに焼き、完全に内部まで焼いた状態です。当然肉汁は出ませんし、内部まで焼けた色をしています。

■生で大丈夫なのか?

肉は焼いてから食べなければいけないのに、ステーキには焼き加減が存在するのって、不思議だと思ったことありませんか?
そこで最後に、牛肉(ステーキ)が生でも大丈夫な理由をご紹介しておきましょう。
基本的に、牛肉が生でも安全な理由は、菌にあります。 牛は肥育環境や体質から、肉の中には寄生虫や菌が存在しないのです。もちろん、消化器官やレバーには菌はありますが、肉には存在しません。そのため生の状態でも食べられるのです。
しかし注意したいのは表面です。肉の内部は無菌ですが、表面には様々な状況で菌が付着する可能性があります。切った際、触れた際に菌が移ってしまうのは容易に想像でき、それを口にしてしまうと食中毒を起こしてしまう可能性も出てきます。
ブルー以降の焼き加減では、中の無菌部分はいくら生であっても表面は火を通しています。そのため、仮に表面に菌が付着していたとしても、その菌は死滅し安全なステーキとして食べることができるのです。
ちなみに、しっかりと管理された豚や鶏の肉は生で食べられるのかというと、実はどちらも解体の段階で腸管内の細菌が肉に付着してしまうため、生では食べられないのです。これは焼き加減ではどうしようもないので、しっかりと火を通して食べることが安全といえます。