【ブランド牛6選を比較】肉のプロが教える全国のブランド牛の違い

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【決定版】違いが分かる肉のプロが教える全国のブランド牛6選を比較

ブランド牛と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
「美味しい」「高級」「松阪牛」「米沢牛」「霜降り」「食べたい」など人それぞれ感じることが違いますし、イメージも人それぞれあります。

そこで今回は、ブランド牛とは何なのか、そして普通の肉とはどう違うのか、松阪牛、神戸牛、米沢牛などブランド牛同士の違いも徹底比較していこうと思います。どうしてブランド牛が美味しいのか、なぜこんなにも高いのかを知ることで、より味わい深いものになるはずです。
また、違いを知ることで、もしかしたらあなたにピッタリの肉が見つかるかもしれません。

■ブランド牛の定義

|どのような肉がブランド牛になれるのか

そもそもここでいう、ブランド牛とは、銘柄牛と呼ばれているもので、有名なところでは「松阪牛」「神戸牛」のように、日本のみならず世界でも有名な牛肉もあります。
これらのブランド牛は品種ではないことをご存知ですか。つまり、「松阪牛」「神戸牛」という品種の牛がいるわけではないのです。
では一体ブランド牛と呼ばれる、多くの銘柄牛は、何なのでしょうか。それは、それぞれの生産団体が「産地」「品種」「肉の格付け」などの基準を設けて、それをクリアした牛が「松阪牛」や「神戸牛」などのブランド牛として呼ばれるようになるのです。
ブランド牛になる基準は、それぞれの生産団体が定めているため、銘柄によって基準や水準はバラバラです。A5ランクなどの肉の等級を基準に含む銘柄もあれば、生まれてから出荷されるまでに生活していた地域が限定されている銘柄、性別を限定している銘柄などそれぞれの銘柄によって基準は違ってきます。 基準はバラバラとはいえ、「ブランド牛 = その牛のバックグラウンドはしっかりしている」ことが分かるのがブランド牛全体としての特徴です。

■全国のブランド牛一覧

それでは、各地のブランド牛を見ていきましょう。どれも一度は聞いたことがある、有名なブランド牛6選の特長や基準を紹介します。

|ブランド牛の種類

松坂牛(まつさかうし)

ブランド牛の代表格ともいえる、日本三大和牛のひとつが、松阪牛です。産地は三重県の松阪市です。
松阪牛の中でも兵庫県産の子牛を導入し、松阪牛生産区域で900日以上の長期にわたり肥育された肉は「特産松阪牛」となります。
【特長】松阪牛の肉は、キメが細かく綺麗な霜降りの肉になっています。肉質がとても柔らかく、口の中でとろけるような感覚を味わえます。また、熱を加えた時の香りは特長的で、甘くてコクのある香りは、他の肉に比べても別格です。
【基準】松阪牛個体識別管理システムの対象地域(三重県松阪市の22の市町村)で肥育された、「黒毛和種」で「子を産んでない雌牛」 であり、牛肉枝肉格付をするなどシステムの条件を満たし出荷されたものです。
詳しく知りたい方は、肉ノート松阪牛を徹底解説していますので、そちらをご覧ください。
松阪市のホームページ/松阪牛協議会

神戸牛(こうべビーフ)

こちらも日本三大和牛のひとつに数えられる、神戸牛です。神戸牛の歴史をたどると、開国したばかりの神戸で、英国人が但馬牛を食べたことが始まりだといわれています。
このように外国人に食べられた歴史があるため、和牛といえば「KOBE BEEF」と、海外でも人気の肉です。
【特長】サシと呼ばれる良質な脂肪が、筋肉の中にキメ細かく含まれており、霜降りの肉という特長があります。また神戸牛のサシは、他の和牛と比較しても人肌で溶けるほど融点が低く、あっさりと食べれて胃がもたれにくいです。
【基準】神戸牛は兵庫県産で、未経産牛もしくは去勢牛であり、枝肉格付けにも様々な基準をクリアしたものになります。例えば、霜降りの度合いを表すBMS値がNo.6以上であることや、歩留等級が「Aランク」もしくは「Bランク」であることなどが挙げられます。
神戸ビーフ・神戸肉流通推進協議会

近江牛(おうみぎゅう)

近江牛の歴史は長く、約400年ほどの歴史があるブランド牛です。
豊臣秀吉が小田原攻略の際、高山右近が細川忠興らに牛肉をふるまったという史実も残っているほどです。そして、宮内庁ご用達の牛肉も近江牛なのです。
【特長】近江牛の特長は、キメが細かく美しいサシが入っており、独特の粘り気があります。脂は甘く、肉質は柔らかく、口の中に風味が広がるのが特長です。
【基準】豊かな自然環境の滋賀県で最も長く肥育された黒毛和種となります。日本食肉格付協会の格付けによる基準はありません。また、近江牛の中でも枝肉格付けがA4,B4以上であると、その肉には認定書が発行されます。
「近江牛」生産・流通推進協議会

米沢牛(よねざわぎゅう)

山形県のブランド牛といえば、米沢牛です。その歴史は明治時代の初期までさかのぼり、当時山形県米沢しに滞在していたイギリス人教師が、米沢牛の美味しさに感動したことから評判が広まったといわれています。
【特長】上質の脂を持っており、とろけるような味わいがあります。口の中に入れた瞬間フワッととけるため、お寿司など生でも美味しく食べられる肉が特長です。
【基準】「黒毛和種」で「子を産んでない雌牛」 であり、米沢牛銘柄推進協議会が認定した、登録された牛舎での飼育期間が最も長い牛である必要があります。また、生後32か月以上で、日本食肉格付協会が定める3等級以上の肉質・脂質が優れた枝肉となっております。
米沢牛銘柄推進協議会

前沢牛(まえざわぎゅう)

前沢牛は岩手県奥州市前沢で肥育されたブランド牛です。
耕作や運搬などに利用する役牛(えきぎゅう)として利用していたものを、肉牛として出荷したのがはじまりです。そのため、1969年頃の当時は「岩手のガリ牛」などと酷評されていましたが、品種改良を行った結果10年後の東京食肉市場では枝肉販売価格日本一を達成します。
【特長】キメ細かな霜降りの脂があり、食べた時の食感が非常に柔らかいです。また甘みの強い味わいが特長的です。火を通すとバターの香りが立つ特長もあります。
【基準】生産者が岩手県奥州市前沢にあり、「黒毛和種」の牛になります。また生産者が1年以上肥育し、前沢区内の肥育期間が最長であり、最終の牛です。牛肉トレーサビリティ法を厳守し、肉質等級が4以上、歩留等級がB以上枝肉に認定されます。
岩手前沢牛協会

飛騨牛(ひだぎゅう)

飛騨牛とは、岐阜県の主に飛騨地方で肥育された黒毛和種のブランド牛です。飛騨牛は食肉になった後は「ひだぎゅう」と呼び、食肉になる前の牛は「ひだうし」と呼びます。
【特長】綺麗なピンク色をしており、キメ細かな霜降りが特長の肉です。筋肉繊維が細く、ステーキやシチューなどに適しています。
【基準】岐阜県内で14ヵ月以上肥育された「黒毛和種」であり、日本食肉格付協会の枝肉格付けで肉質等級が3以上、歩留等級がB以上を満たすものに限定されます。また等級が基準値を満たさない肉は、「飛騨牛」ではなく「飛騨和牛」とされます。
飛騨牛銘柄推進協議会

■通販を利用しブランド牛を食べる

全国各地のブランド牛は、その地域に行かなければ食べられないわけではありません。最近では、ネット通販などで自宅にお取り寄せができるようになったため、ブランド牛を簡単に楽しむことができるようになりました。
そこで当サイトで扱っているブランド牛をいくつか紹介しておきます。